「順調そうで、何よりじゃない。」


翌日、久しぶりに顔を合わせた美里に、昨日の経緯を話すと、そう言って顔をほころばせた。


「で、ドライブはどこに行くことになったの?」


「まだ決まってない、これから相談して決める。」


「そうか、まぁどこ行こうか、なんて話してる時もまた楽しいからね。」


「うん・・・。」


そんなことを言われて、照れ臭くなった私は、ちょっと俯きながら、頷く。


「ア〜ァ、ドライブかぁ。いいなぁ、私も行きたいなぁ。」


なんて言い出した美里。


「えっ、美里は彼氏さんと行ったことないの?」


「ないよ。だって彼、免許持ってないもん。」


と不満げに答える美里。


「別に私が運転すれば、いいんだけどさ。でもね・・・。彼氏の運転の助手席って、なんとなく憧れるじゃん。」


「免許持ってないって、珍しいね?」


「興味ないんだって。学生時代はずっとバトミントンに打ち込んで、教師になりたくて猛勉強して、他のことなんか、どうでもよかったみたい。」


「・・・。」


「とにかく真面目な人だし、今どき、絶滅危惧種とも思われる熱血教師。そこに惹かれたのは確かなんだけど、さ・・・。」


「美里・・・。」