なんで私に話をふってくるんですか?先生。
呪います。
ほら、クラスの視線が一斉にこっち向いたではありませんか…

「…賛成です。あえて言うのなら、設定は『いじめ、ダメ絶対』をつけて出したほうがいいと思います」
「……と、言うと…?」
「つまり、ストーリー性を持たせたほうがいいと思うんですよね。そうですね、例えばここの都市伝説『サナコさん』なんてどうでしょう」

先生が怯え出した。
当然です。先生はグロいのが苦手なんですから。

ついでに、『サナコさん』というのはさっきも言った通り、ここの都市伝説です。いじめや差別を考えられるかぎりの方法で受けて、自殺しようとしたサナコさんだったけど、思い至ったのです。

“私は何も悪いことはしていないのに、なんで私だけが死ななくてはいけないの?”

そう思ったサナコさんは、これもまた残虐な殺し方で自分をいじめた子を殺していきました。
そのサナコさんは今も自分をいじめたやつを探し、この街をさまよっているというのです。

そして、今のいじめっ子がもしサナコさんに見つかったりしたら…酷い殺し方をしてくる。

それがこの街の都市伝説『サナコさん』なのです。