陽華の吸血鬼➁【一人称修正ver.】【完】


苦笑すら混じったように聞こえる声は、ただ哀しい。

架くんにとって兄は誇りですらあったのだろう。

私と話したことの端々から、尊敬しているのはよく見て取れていた。

一番ショックだったのは、そこなのかもしれない。

黎はため息をついた。

「何言ってんだお前」

「ちょ、黎っ」

突き放すような言い草に、私が焦った。

今傷付いている架くんにそんな言い方――

「親が同じじゃなくたって弟に決まってんじゃねえか。俺はそう思ってるけど、お前は違うのか?」