弥生さんのいきなりの告白に、誠さんも美愛さんも、黎も、私も何も言えなかった。

ただ、架くんの反応を待つ。

「……俺の――父さんは、父さんじゃないってこと?」

架くんの目線が誠さんに向けられて、誠さんは渋い顔の瞼を伏せることで答えた。

架くんはそれをどうとったのか、「そうなんだ……」と呟いた。

「架っ?」

そのままふらりと立ち上がった架くんに、弥生さんが慌てて呼びかけて。

「ちょっと、外の空気吸ってくる。頭の中、整理出来たら戻る」

タン、と軽い音を立てて襖が閉められた。

振り返らなかった架くん。

――私と黎が、同時に立ち上がった。