「……反対、ですか?」
黎が問うと、誠さんは「うん」と顎を引いた。
「正直、展開が突飛過ぎて総て話についていけない。だが、反対する気はないよ。黎が今生きているのも、真紅さんが生きているのも、お互いのおかげなのだろう? 命には責任が発生する。反対はしない。それに、反対されたからと大事な子どもにいなくなられるのも……きつい。……代わりに、黎、お前は桜城を出て小埜の人間となった身だ。影小路本家や十二家へ承諾諸々に関して、我々桜城家は一切関わらない。――そのくらいの線引きでいいのか?」
誠さんの問いかけに、黎は一瞬言葉に詰まった。
黎と私のことに対して、桜城家はどういう態度を貫くのか――誠さんはそれを示して見せた。



