……え?

顔をあげた。黎はまだ私の方を見ないまま、目を閉じていた。

「……? ごめん? って、なにが?」

すぐに帰ってしまうのだろうか。

私がそう口にする前に、黎が気恥ずかしそうに、瞼を伏せたまま言った。

「ちょっと、理解が追いつかない。お二人に認められて真紅といていいとか……ちょっと待ってくれ、頭ん中に入れるから」

「え? う、うん……?」

どういう意味だろう。その意味こそわからずにいると、黎は長く息を吐いた。

「……本当に、俺といていいのか?」