陽華の吸血鬼➁【一人称修正ver.】【完】


「白は昔っから女の子みてーだなって言われてるからなー」

それはフォローなのか。黒藤ののんびり言葉に、自分の額を押さえる。

「でも、お前らの『白桜様』は取らねーから、安心してろよ。そこの盗み聞きたちもな?」

「「………」」

「……ばれていましたか」

言ったのは結蓮で、黒藤が流し見た先は結蓮とその背後の襖だった。

降参とばかりに結蓮が平伏すると、襖がそっと開いた。

その向こうから、とび色の髪の青年と、高い位置で髪を結った少女が現れた。