腕を組んだ黎に訊かれて、首を横に振った。
「澪さんを拒絶したのは、単に澪さんが影小路の縁者(えんじゃ)だから。海雨を影小路の色々に巻き込むのがいやだったけど、海雨の方が自覚していて、しかも覚悟してるなら私が邪魔する理由はないよ」
海雨は、影小路の転生の檻(おり)にいることを認めている。
海雨は、それを知った上で選ぶ。海雨が選ぶのは、『海雨の生き方』だ。
「『暮無』様をどうするかは、海雨次第」
私の答えを聞いた黎は、黙って壁にもたれた。
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