澪さんのその言葉には、首を横に振った。
「ごく近くに存在するようには仕組まれていたでしょう。ですが、友達になるか、ただの知り合いで終わるかは、私たち次第だったはずです。私たちは、一番の友達になりました。私も海雨も、過去世のことなんて知らずに。純粋に、友達として好きになったんです」
でも、私はやがて影小路の始祖の転生としての記憶も取り戻すこともさだめづけられていた。
それこそ、烏天狗の急襲で命を落としでもしなければ。
きっと、澪さんを見上げる。
「澪さんが、小路や御門、陰陽師に関係のない人なら、手放しで応援出来ました。でも、澪さんは『小埜澪』です。欠片でも危険があるのなら、私は認められない」
少しでも、始祖のたちが未来に案じた危険性が、あるのなら。



