《巫女様……旦那様なら、受け止めて下さいます》 「うん。わかってる。でも、ここで頼ってはダメなんだ」 私は、生きることを決めた。 影小路の一人として。 紅が、頬ずりをしてきた。 《せめて紅のもふもふ効果で癒されてくださいまし》 必死に私を慰めようとする小さな妖異の優しさに、今度は唇噛んで涙をこらえた。 ぎゅっと、紅を抱きしめる。 ――本当は、傍にいてほしい。