真紅に背を向けるのは二度目だ。

一度目は、最初に逢ったとき。

真紅をアパートの部屋に寝かせ、最期のときまで逢わないつもりだった。

でも真紅に見つけられてしまい、真紅から逃げることはやめた。

真っ直ぐにぶつかってきて、受け止めてしまったから。

……その真紅から、拒絶の言葉を聞いた。

悔しい。

自分では真紅の力になれない。支えてやることも出来ないのか?

……お前だけ、俺を必要としてくれた。それに応えたかった。でも、俺では足らないのか。