「頼れって言ってるんだよ! なんのために俺がいると思ってんだ! 彼氏役やってくれとか無鉄砲なこと言って来たヤツが、なんで今になって全部自分で背負おうとする!」 「―――……」 真紅は、視線を地面に落とした。そして、一言だけ呟く。 「できない」 「――――」 摑んでいた、真紅の手首を放す。 「そうかよ」 言って、踵を返した。 「紅も鳥もいるから、心配ないよな」 真紅がこちらを見上げることは、なかった。