「そうね。学校も大事だわ。でも海雨、本当に好きな人が出来たときは、お母さんやお父さんに遠慮しないでね?」

「―――」

にっこり笑みを見せてくれるお母さんに、あたしは唇を噛んだ。

「じゃあ、俺が海雨さんに交際を申し込んでも反対はされないですか?」

「………………………………………」

「あら」

澪さんがヘンなことを言った。

意味がわからず黙って瞬くあたしと、口元に手を当てるお母さん。

澪さんは優しく笑った。

「海雨ちゃん、俺と付き合いませんか?」