「黎さんにちょっと嫉妬してるのはあります。あたしの中も今アンバランスなんですけど、でも、よかったーって、思ってるのが一番強いかもです」

「……梨実さんは、」

ふと、澪さんが目元を和ませた。

「いい友達を持ったんだね」

「――、はいっ。澪さんも、ですね」

「俺?」

「黎さん。色々言っても仲良しじゃないですか」

「そうかなー?」

澪さんと話しているうちに、お母さんがやってきた。

「あら、澪くんこんにちは」

着替えの詰まったカバンを持ったお母さんに譲るように、澪さんが椅子を立った。