「真紅、あとは私たちに出来ることは見守ることだけです」

三毛猫から瞳を離さない私の肩に手を置いた。

そうは言われても、あんなに苦しそうで……足を半歩後ろに引いて、拳を握った。

「出来るだけ、静かにしてあげましょう」

「―――いえ」

諭すような紅緒様に、否(いな)やを唱えた。

「聞こえてます。あの子、ここに居てって、言ってるように聞こえるんです」

言い切る私に、驚きの意味でだろう、紅緒様は大きく目を見開いた。

「私だけ、ここにいてもいいですか?」

言葉を重ねれば、紅緒様は刹那思案するように口を結んだ。