……自分でどうにかするしかないよな。

今の自分の位置を、真紅の伴侶と認められるまでに。

「兄貴。もう『桜城』じゃないからって、うちに来ないわけじゃないよな?」

「ん? 俺が帰る用もないだろ」

「用もないのに帰るのが実家だろ。美愛さんも父さんも、母さんも待ってるからたまには帰って来い」

「………」

「じゃないと、俺が学校帰りとかに真紅ちゃんだけ連れてくる」

「俺が連れて行くからやめろ」

兄、敗北。……所詮兄なんて、弟には弱いもんだ。