「ぽちっとなー☆」


「…なんか嫌な予感がするんだけど?」


写真を取り終えたイブさんの一言に

つづるさんが反応する。


ぽちっとしてたのはスマホだけど、

何をしたんだろう?




「じゃじゃーん!」


「なになに…。

 "Lead Sのみんなと文化祭デート♡

 黒髪の俺もイケメン?"

 …ってイブくん馬鹿なの?」


「え?」


「何言ってるんですか。

 こいつが馬鹿なのは

 今に始まったことじゃないですよ。」



「何したんですか?」


「端的に言うなら

 SNSに今の写真をあげちゃった、

 ってとこかな。」



「あぁ…。」


「なんでみんなそんな反応するの!?」


「黒髪にしてきた意味が

 なくなっちゃいますね。」



「あ。」


うん。この人ほんとに抜けてる。



せめて今日の夜以降じゃないと…。



「パンケーキ、できたっす。

 あと咲雪喋り過ぎな。

 咲雪の仕事、サクがやってるぞ。」


「うそ!ごめん!」



3つのパンケーキのお皿を器用に持ってきた

諒くんと入れ替わるように厨房スペースに向かう。




そしてそのままLead Sの人たちは

ほったらかしにして接客を頑張った。