「あれあれ〜?白猫ちゃんがいる〜♪」
「んぁ?なんだよお前。」
先頭を歩いていた男の人の前に
立ちふさがるように止まった黒髪の男の人。
黒髪なのに耳には
ピアスがたくさんついてて違和感がある。
「その白猫ちゃんって
キミたちが飼ってるの〜?」
「あぁそうだよ。
さっき拾ってやったんだ。」
いや意味がわかりません。
わたしそもそも捨てられてもないから!
「じゃあその白猫ちゃんは
俺が引き取ろっかなぁ〜♪」
「いやいややらねぇよ。」
げらげら笑う男の人。
やっぱりショウキさんの…ってもうこれはいいか。
「ほら、手荒な真似される前に
こっちに引き渡しな?」
急に目つきが鋭くなって声が低くなる黒髪ピアスさん。
その変貌に驚いたのか
わたしの腕を掴んでいた男の人の手が緩んだ。
えいっ!
ぶんっと腕を振って拘束を解除する。
「ちっ。行くぞ。」
先頭を歩いていた男の人が諦めたのか去っていった。
「あの…。ありがとうございました。」
「いえいえ〜!
やっぱり俺ってイケメンで天才だなっ☆」
…ん?
なんかこのテンション見覚えがある気が…?
「髪を染めても隠しきれない俺の美貌!
なんて罪深いんだ…♪」
「…仕事に戻っていいですか。」
「えーー。せっかく助けてあげたのにぃ。
恩人に対してそれはナンセンスだよ!」
「ところで他の人はどちらに?」
「スルー!?
…将輝たちはフウくんのとこ行くって
行っちゃったよ?」
「イブさんはなぜ一緒に行かなかったんです?」
「な…!
いつ俺がみんなの憧れであるイブだと気づいた!」
「…。」
諒くんの言うとおりこの人めんどくさいかも。
ちょっと思考回路がよくわからない。
「まぁいいや。
わたし教室戻りますね。」
「俺も俺も〜♪」
宣伝をしながら教室に戻ると、
廊下に並んでいるLead Sの面々がいた。



