2日目の公開時間が終わり、

みんなが教室内の掃除をしたり

装飾の破損がないかチェックしたりしている。



わたしはクラス委員長の代わりに点呼を取ってるんだけど…。


「あれ?

 琉奈ちゃんさっきあっちで数えたような…?」


慣れない作業に苦戦していた。



クラス委員長さんは煌友祭の間

仕事を全部実行委員長に委託できるんだって。



だからって任せられても困る…!


内申稼ぎの為にこんな大変なお仕事してるなんて

クラス委員長さん尊敬。




結局点呼が終わった頃には

みんなやることがなくなっておしゃべりをし始めていた。



「もう帰っていいのー?」


そんな声もあがる中、少し大きめの声で話し始める。


だいぶ慣れたとはいえまだ少し緊張しちゃう。


「2日目もお疲れ様でした…!

 今日の反省を明日に活かしたいので、

 やってて疑問に思ったこととか、

 もしあったらトラブルとか教えてください!」



「あ、じゃあはーい!」


琉奈ちゃんが元気よく手を挙げてくれる。



シーンってなっちゃったらどうしようって

思ってたから助かった。



「写真のOKのラインがわからんかった!

 スタッフと撮っていいのか、的な!」


「諒くん、どうする?」


「写真は全面OKで、

 混雑時じゃなければ対応しといてー。」


「ほいほーい!」




「他にありますか?」


「聞きたいことじゃないけど…。」


紫翠くんが小さく手を挙げる。


上げられた前髪は

既にいつも通りになっていて

目が隠れそうになっている。



「中園さんの宣伝効果が強いから

 宣伝にはいちごの天使とか言うといいかも。

 それこそ写真が撮れるって言えば

 軽く1.5倍は人来るだろうね。」



「謎の写真撮ってから入場、みたいな

 システムできてたもんねー。」


けらけらと琉奈ちゃんが笑っている。




「そんなに効果ないと思うけどな…。」


ぼそっとつぶやいたけど、

このメイクとワンピースだと写真写りが

格段と良くなるのはわかったから

大きな声で否定を訴えることはしなかった。





「他にありますか?」


クラスを見渡すけど、

みんな楽しそうに話をしていて

特に質問や連絡はなさそうだった。



「じゃあこれで今日は解散…かな?」


諒くんの方を見て確認する。



実行委員長になったのはわたしだから

わたしが決めていいんだろうけど、

やっぱりどうしても不安だから確認しちゃう。