「お待たせしましたぴょーん!
あちらの席にお願いしまっす!」
うさぎの琉奈ちゃんが元気200%で案内してくれる。
ファンタジックなパステルカラーで
染められた教室に入り、
本来窓があった壁の近くの席に座る。
「ご注文を承ります。」
「え、もしかしてその声…。」
「スイだろ?」
「まじですか…。」
長い前髪で隠れていた素顔は
ぱっちり二重の少し幼い顔だった。
身長高くてバスケやってる
がたいのいい身体つきなのに
顔は幼いってギャップが…。
「いちごとチョコですね。」
「あぁ。頼むなー。」
「失礼します。」
あれ?
まだ何も注文してないのに勝手に決まっていた。
不思議に思ってると
諒くんがわたしの心を読み取ったのか答えてくれる。
「咲雪はいちごの天使だし、
スイはオレがチョコよく食べてるの
知ってるからな。」
「なるほど…?」
「にしてもサク、張り切りすぎたな。
うちの装飾だけガチすぎて
お店みたいになってるわ。」
「いいことじゃない?
水谷くんデザインの衣装も
相当なクオリティだし!」
自分の着ているワンピースを見て言う。
もう少し、いやだいぶ
手を抜いて欲しかったくらいだ。
諒くんが着ている王子様の服も
刺繍などの装飾がたくさんあしらわれている。
「これでパンケーキまずかったら笑うわ。」
「レシピは最高のやつだし、
大丈夫だとは思うけど…。」
心配だ。すごく。
料理班が足を引っ張ってたとしたら申し訳なさ過ぎて…。



