欠けてるあなたが大好きです。


隣を見るとくぁ〜っとあくびをしている人が。


「諒くんは目立つの平気なの?」



「別に気にならねーよ。

 文化祭で普通に制服着てる方が

 テンション上がんなさそうだし。」


「まぁ…確かに…。」


みんなわたしのクラスほど派手ではないけど

色とりどりの衣装を着ている。



でも浴衣とかスーツとか無難な衣装がよかったな…。




「2Aアニマルカフェー!

 パンケーキいかがですかー?」



「あ、そうだ。

 どうせならこー言おうぜ。」


「え?」



「2Aアニマルカフェ!

 いちごの天使のパンケーキ、どうですか〜?」


「ちょっと!

 わたし作ってるわけじゃないし!

 そもそもネームバリューもないって!」


「咲雪の慌てっぷりかわいい。」



「なっ!?」


くしゃっとした諒くんの笑顔とかわいいって言葉。


そんなの向けられたら

何も言えなくなっちゃうじゃん…!



きっとわたしの頬はチークのせいも相まって

熟れたいちごみたいに真っ赤だろう。