欠けてるあなたが大好きです。


「てゆーか風越にも

 メイクと髪いじりするからね?」


「は?別にオレはいいから。」


「拒否権はなし!早く着替えてこい!」


「はぁ?」



「咲雪ちゃんだって

 もっとかっこよくなった風越

 見てみたいでしょ?」



「え…、うん。」


正直に答えたら諒くんは

明日香ちゃんを睨みつけながら

衣装を持って教室を出て行った。




「咲雪ちゃん愛されてるね〜。」



「え?そ、そうかな…。」


諒くんには感情がない。


だからもちろん"愛す"なんて

恋愛感情は持ち合わせていない。



でもLead Sの関係者じゃない明日香ちゃんは

そのことを知らない。



複雑な気分だな…。




「だって咲雪ちゃんが頷いたら

 すぐに着替えに行ったじゃん!

 これは愛されてるに他ならない!」



「…すごく大切にされてる自覚はあるよ。」


にっこり微笑んで言ったら、

このやろー!っとぺしぺし叩かれた。





この後諒くんが戻ってきて

明日香ちゃんが違和感のない程度の

メイク等々を施した。