Lead Sの小さな看板が見えた。
「じゃあまた後で。
オレ裏から入んなきゃだから。」
「うん!」
「あ、店ではフウな。」
右手をひらひらしながら立ち去った風越くん。
おしゃれなモノトーンの外装に近づき、
アンティーク調の白いドアを開ける。
カランコロンッ。
「いらっしゃいませ〜。」
すぐにショウキさんがやってくる。
「あ、咲雪さんだ。おとといぶりですね〜。」
「こんにちは。」
「今日は木曜日で空いてるので
お好きな席にどうぞ。」
「どうして木曜日は空いてるんですか?」
「木曜日は19時までなんです。
うちは大人の方が多いので
必然的にお客さんが減るんです。」
「そうなんですね〜。」
今はだいたい18時。
おととい来たときは数組お客さんがいたけど、
今日は一人もいない。
なんか貸し切りみたいで不思議な気分。



