フウくんに背を向けてもらって服を着替える。



白いふんわりした七歩丈くらいの袖のトップスと

水色のミニスカート。


袖のところに大胆なスリットが入っていて、

白レースで覆われるデザインであるものの

肩から腕まで透けるように露出している。



諒くんの前で水着を着たことはあっても、

やっぱりちょっと恥ずかしい。



ほんのりピンクのグロスを塗り直してから

諒くんに着替えが終わったことを伝える。



振り返ってわたしを見た諒くんは

ほんの少し目を見開いてから無表情になる。




「なにそれ。誘ってんの?」


「え?デート誘ってくれたの諒くんだよ?」



「あー、まぁいいや。その格好超かわいい。」



やった!


ほめられた!



嬉しさがこみあげてついにやける。



「オレも着替えるから。」


今度はさっきと逆で

わたしが諒くんに背を向ける。



そういえばデート行こうぜって言われたけど、

どこ行くか聞いてないや。


とりあえずおなか減ってるしごはんがいいなぁ。



なんていろいろ考えていたら…。



ぎゅ…。


背中から温かいぬくもりに包まれる。


肩に自然な茶色の髪が見えるから、

諒くんがうしろから抱きしめてくれてるんだなって

状況を理解する。




「…どうしたの?」


「オレのためにおしゃれしたんだなって思ったら

 なにかしてやりたくなった。」


「ふふっ。ありがと?」


頭をぽんぽんたたいてお礼を言う。