静かになった部屋に、声が発せられる。
「好きって、なんですか。」
顔を上げると、いつもの爽やかな笑みが消えた
無表情のショウキさんと目が合う。
「関わったときに幸せだと思える対象…?」
好きなものにも好きな人にも
当てはまるであろう答えを言う。
ぼんやりしてることだし、
人によって違うんだろうけど。
わたしが答えると、
ショウキさんは足元に目線を落とした。
何を考えてるんだろう…。
無表情で動かなくなったショウキさんを見てると、
やっぱりこの人もサイコパスなんだなって再認識する。
いつも笑顔で模範解答になりそうな受け答えしか
しないけど、ちゃんと人間っぽさも表現してるから
普段はサイコパス感がないんだよね。
まぁそれができるのは
ショウキさん以外のサイコパスたちもだけど。
脱衣所の方から物音が聞こえる。
諒くんがシャワーから出たんだろうな。
ショウキさんはさっきからまったく動かない。
対してわたしは無言の空間でそわそわしだす。
ショウキさんの事も気になるけど、
今は諒くんに会える嬉しさが大きい。
もうすぐ会えるってわかったら
勝手にテンションが上がっちゃうなんて、重症かも。



