そう思ってたら視界のはしっこに諒くんが映った。
お、きたきた…ってなんか持ってるし。
ハンバーガーかな?
立ち上がって諒くんの方に足を踏み出すと、
男の人に腕を掴まれる。
「おいどこ行くんだよ?
キミは今から俺様とイイコトすんだろ?」
「…なんの話ですか。」
わたし一言もあなた達に応えてないんだけど。
「咲雪、何してんの?」
「…ナンパもどき?」
「「いや何でもどきなんだよ!」」
男の人2人組がハモる。
「え?
だってナンパって
ミユさんみたいなかわいい人がされるやつでしょ?
わたしみたいな中の下、いや下の中の人が
されるわけないじゃん。」
「…まぁいいや、行くぞ。」
諒くんが男の人の腕を払いのけ、
みそラーメンのトレーを片手で持ってくれる。
男の人2人組を置いてトレーを返し、
ついでにもう片方の手で持っていたハンバーガーを
ぱくっと食べきってゴミを捨てる諒くん。



