欠けてるあなたが大好きです。


「諒くんってさ、

 触られるの平気だよね…?」


「え?まぁ、サイコだしな。」


遠回しに平気だと返答されてすぐに、

諒くんの頬にわたしの手を当てる。



前に誰かから、

好きな人に触れるとその部分が熱くなって、

幸せな気持ちになるって言われたから。


諒くんに対して抱いてるこのあったかい気持ちが、

"好き"ということなのか、

諒くんに恋してるのか気になったから。





わたしのいきなりの行動に驚いたのか、

少しだけ目を見開いた諒くん。


でもわたしの視線と諒くんの視線は絡まったまんま。






じんわりと諒くんの頬から

わたしの冷えた手のひらへ熱が移る。



わたしの手のひらが暖まるのは、

それだけが理由じゃない。






頬に触れてる面が、勝手に熱を帯びるんだ。






さっき手を引かれたり

だっこされたりしてた時も、

気づかぬ内に熱くなっていた気がする。


…お姫様だっこの場合は恥ずかしさのが上だったけど。