欠けてるあなたが大好きです。


「んなわけねーだろ…。

 なんで自覚ねーんだよ。」


「まぁ咲雪さんはそういう方ですから。

 僕達からしたら不思議でたまりませんね。

 なぜ同レベルの外見を持ちながら

 あれほど自分の容姿を理解してないんでしょうか。」



「親は美形なのは自覚してるくせにな。」





こんな会話が部屋の中であったことなんて全く知らず、

諒くんが来るのを待ってプールに向かった。




「流れるプールだ〜!」




1番近くにあったプールに近づき、

ゆっくりと入水する。


「つめたっ!」


「んな焦んなくてもプールは逃げねぇよ?」


諒くんもプールに入り、わたしの隣にいてくれる。



わたしはなんの前触れもなく、

ちゃぷんっと音を立てて潜る。




人の足と足の間をすり抜けて、

流れる水と同じ進行方向に進んでいく。



泳ぐのは苦手じゃないの。


運動はあんまり得意じゃないけどね。




息が足りなくなってきたところで

ぷはぁっと顔を出す。



気持ちいい〜♪


普通に泳ぐのも好きだけど、

流れるプールで泳ぐのはもっと好き。



水の流れのおかげで早く進めるからすごく快感。