「え、じゃあ恋愛感情がないってことは

 好き嫌いもないの?」




「んー、それは人によりけりだろうね。

 私は人に対する好き嫌いはまったくないね。

 汗だくのぶつぶつの太った男の人とも

 普通にしゃべれるわ。」


「えぇ…。」



「でもコスメ見ると

 テンション上がる気がするから

 物に対しては好き嫌いあるかも?

 あんまり意識できたことないけど。

 将輝は人に対しても物に対しても

 好き嫌いないだろうね。」



「…料理も?」


「うん。

 料理はただの自分を認めてもらう為の

 "道具"だろうね。」



そんな…。



あんなに楽しくて幸せになれるものなのに!


ちょっと切ない。






「諒は…重症だな。

 人の感情がころころ変わるのが理解できなくて

 軽い人間不信だから。」



「人間不信…?」


あんなにみんなに囲まれて笑顔の諒くんが…?




「サイコはみんな、

 感情を"作る"のが上手いから。

 実際私の感情表現、

 すごくわかりやすいけど

 そんなにうざったくならないでしょ?」


「変なテンションの時もあるけどね。」



でも心の底からとめどなく溢れてきた感情が

顔に出てます!って感じなのはわかる。