「さっきの咲雪ちゃん、かっこよかったよ。」


「さっき?」



無言だとちょっと居心地悪いのを

知ってか知らずにか、

運転しなが話しかけてくれる彩陽さん。




「感情は自分の言動を決める

 1つの基準みたいなものなだけ、ね。

 あれは聞いててスッてきたわ〜!」


「恥ずかしいので忘れてください…。」



嘘を言ったわけではないけど、

既に何言ったか半分くらい覚えてないんだよね…。



思ったことそのまま口にしただけだったし。





「私は自分がサイコパスの性質を持って

 産まれてよかったって思ってるけどさ、

 それでもあの言葉は響いたよ。」


サイコパスに産まれてよかった…。



さらっと言った彩陽さんだけど、

そう思えるのって相当すごいことだと思う。



周りと違うって、どうやっても

コンプレックスというか気にしちゃうものなはず。



なのにそれを受け入れて、

その上でそれがよかったって言える。


かっこいいな…。