「俺、強くなるから。玲香を守れるくらい強くなるから。だから玲香のこと守らせて」


真っ直ぐな瞳であたしを見つめ、熱く燃えるように話すナオ。


「孝太さんは奥さん守るために亡くなったんだろ。だから俺も玲香守るために命懸ける」


ナオの気持ちはわかる。


ナオは本当に孝太さんを慕ってた。


〝孝太さんが俺にいろんなこと教えてくれたんだ〟って珍しく嬉しそうに話してくれたこともあった。


「守らなくてもいいとか強がってないで、素直に俺のこと頼ってほしい」


「…うん」


孝太さんの奥さんは、どんな気持ちだったんだろう。


目の前で最愛の夫が殺されるのを見て…。


しかも自分を守るために。


「玲香も、自分も、族も、全部守る。俺は絶対死なない。約束する」


そして、約束の印だと言ってナオは十字架のネックレスをくれたんだ。