カタカタと拳銃が鳴り、宮瀬が全身を震わせてることに気づく。


「…ねぇ沙耶…。沙耶はあたしを恨んでる…?」 


顔を伏せていた沙耶がようやく顔を上げた。


その目は真っ赤に充血していた。


「…ううん。でも…聖が言ってることも分かるんだ。ただ、すべての元凶が玲香だとは思ってないよ…。あたしたちはまた1からやり直せる…。違う…?」


沙耶…。


「…沙耶…ごめんね…ありがとう…」


その気持ちを聞けただけであたしは嬉しいよ。


あたしはきっと殺される。


あたしに明日は来ない。


宮瀬は誰が何を言おうとあたしを殺すだろう。


「…覚悟が決まったみたいだな」


ニッと口角を上げて拳銃を構える宮瀬。


死を覚悟し目を閉じると、走馬灯のようにたくさんの記憶が蘇ってくる。