それだけであたしの心は軽くなる。


そんなあたしの視線が吸い寄せられたのは、引き出しの中に眠る大学ノート。


かなり年季が入ってる。


普通にノートとして使ってるならこんなにボロボロにはならない。


いけないことだと分かっていながら、無意識のうちにノートに手が伸びてしまう。


こんなにボロボロなのにホコリは1つもついてないところを見ると、頻繁に使ってるようだ。


…今日に限って鍵が開いてたのは、あたしに見せるため?

 
なんて…考えすぎかな。


宮瀬はそんな粋なことをするタイプじゃないか…。


〝俺は宮瀬聖と玲香が付き合い始めても文句は言わない〟


何故かナオの手紙が頭の中に蘇る。