敵は琴吹組、西条組、警察。


どの組織も巨大で恐ろしい。


でも、警察なら…。


「…警察ならあたしたちを殺したりはしない。警察なら守ってくれる」


「ムダだ。警察の上層部には琴吹組と通じてる奴がいるって噂だ。殺されて揉み消されるだけだ」


……。


今まで琴吹組の人間が罪を犯しても正しく罰せられずにいたのはそういうことだったんだ。


じゃあもう…味方はいない。


自力で生き延びるしか道はないんだ。


「…なんで宮瀬はあたしを救おうとしてくれるの?命捨てるようなもんだよ」


初めて宮瀬を心底バカだと思った。


頭良いくせに、賢いくせに、なんでこんなバカなマネするんだろう。