宮瀬は声を震わすことなく平然と嘘をつく。


「安心してください。俺がアイツのこと掴まえて龍美さんのところへ連れていきますから」


……なんで龍美さん相手に平然と嘘を吐けるんだろう。


あたしは怖くて怖くてたまらないのに。


「はい、失礼します」


電話を切り、ふぅっと小さくため息をつく宮瀬。


さすがに緊張したみたいだ。


「…立てるか?」


「あたし殺されるのかな」


若頭の龍美さん本人が動いてるってことは事態が大きいことを示している。


つまり、罰もそれ相応に重い。


龍美さんは最初からあたしを疑ってた。


きっと殺される…。 


「俺がそうはさせない。守るって言ってんだろ。信用しろよ」