…いくら宮瀬が有能だろうと何十年もこの世界にいる大人たちには敵わない。


それなのになんで?


「俺、ずっと後悔してた。あの夜のこと」


宮瀬は静かに話し始めた。


追われてる状況に相応しくない落ち着きが逆に怖さを煽る。


「…処罰だからっていうメチャクチャな理論であぁいうことして。

玲香のこと傷つけたくなかったけど、自分が抑えらんなかった。

いろいろ葛藤して心の中ぐちゃぐちゃで。

…俺、玲香のこと好きなんだ。

コトが終わった後にはっきり分かった。

でももう遅かった。

あんな風に玲香に泣かれたの初めてだったし。

泣いてる姿見てすげー苦しくなった。

苦しくて申し訳なくて、自分が情けなかった。

もうこいつとは会えないなって思ったけど、同じ家に住んでるからどうしようもなくて。

何となく避けるようになったし避けられてる気もしてた。

だから謝るタイミングも分からなくて、なんて声かけたら良いかもわからなかった。

あれこれ考えたけど、どうやっても玲香には許してもらえないだろうなって思ってた。

そのタイミングで今回のことが起きた。

…ここでちゃんと玲香を守り抜いて少しでも誠意見せれたらなって思ってるんだ。

だから俺を信用してほしい。

俺が絶対守る。

2度と玲香を傷つけない」