─9月下旬。


今年は残暑もほとんどなく、過ごしやすい秋がやってきた。


あたしたちの関係は未だにギクシャクしていて、すごく居心地が悪い。


でも、城田さんは本当に組へ報告してないようで、命が狙われることもなく平穏な暮らしが戻りつつある。


あたしも引きこもるのはやめ、1歩ずつ前へ進む努力はしている。


真面目に学校に行ったり、軽い仕事をしたり。


あたしが唯一上手く行かなかった仕事は宮瀬だ。


宮瀬だけは殺せない。


あたしがまだ宮瀬を殺してないから貫田さんとは会えてない。


このまま貫田さんとは関係が終わってもいいと思ってたりもする。


貫田さんと会えばカラダを求められて苦しいから。


ナオがいなくなった世界であたしが生きていくには、ナオの影を消さないようにするしかない。