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部屋の扉がノックされたのは、それから一時間ほどが経った時だった。
「入っていい?」
宮瀬だ。
「いつも許可なく入るくせに」
これでもあたしなりのOKサインだ。
宮瀬はそれを理解してか、ゆっくり扉を開けた。
どことなく不機嫌な様子でベッドの端に腰を下ろし、何を思ってかあたしの髪の毛を撫でる宮瀬。
「…何。触らないで」
その手を振り払い、ベッドから抜け出そうと体を起こす。
「どこ行くんだよ」
けど、止められてしまう。
今の宮瀬は脆く、少し雑に扱えば壊れてしまいそうな儚さがあった。
「…ここにいればいいんでしょ。で、何の用?」
今は宮瀬を1人にできない。
放っておけない。
側にいたい。



