Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

宮瀬たちは容赦なく急所を狙ってる。


華月の時とは大違いだ。


死者が一桁で収まる気配がない。


もう、2分の1ほど侵略できている。


あと半分で沙耶がいるフロアに着いてしまう。


城田さんはコンテナの死角を利用して戦い、宮瀬は持ち前の身体能力と体力の高さで正面から戦っている。


負ける気配なんてない。


「撃たなきゃ…」


撃たなきゃ疑われる…。


でも撃ちたくない─。


その時だった。


1階から銃声が鳴った瞬間、あたしの左手に燃えるような痛みが走った。


発砲したのは城田さんだ─。


流れ弾なんかじゃない。


ここに流れ弾が飛んでくるわけないんだ。


城田さんが意図的にあたしを狙った。