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神龍の倉庫は人気が少ないところにある。
長い距離を暑い中歩いたせいか、緊張のせいか、尋常じゃない量の汗をかいている。
今沙耶はどうしてるだろう。
何を思ってるだろう。
あたしを疑ってるのか、否か。
「玲香ちゃんは入ってすぐ左の階段から上に上がって」
「俺ら以外を容赦なく撃て。お前の仕事はとにかく数を減らすことだ。それに集中しろ。いいな」
……わかってる。
どうしてもナオの仲間を撃たなければならないことは。
ナオが守りたいと言った仲間を、あたしが撃つんだ…。
「…行こう」
穏やかな口調とは裏腹に、宮瀬と並ぶ威力でシャッターを蹴り飛ばす城田さん。
普段温和な人でも、仕事となれば豹変する。



