Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

「ま、臨機応変に対応してくれればいいよ。玲香ちゃん、能力高いだろうし」


震える指先を隠すため、ポケットに手を突っ込み、小さく頷く。


「じゃあ行こうか」


城田さんに続いて全身黒ずくめの宮瀬が家を出ていく。


もうあとは運命に身を任せるしかない。


あたしの手じゃどうにもならない。


「…よし」


最善を尽くそう。


この道にハッピーエンドはなくても、マシなエンディングを向かえたい。


そのために頑張るんだ。


そっとネックレスを握りしめ、あたしは1歩踏み出した。


裏切りというイバラの道へ─。