勝地さんも含めてだ。


心が痛い。


せっかく沙耶と出掛けるのに楽しくないし、笑えない。


車がショッピングセンターに近づくにつれて、心の重りがどんどん重くなっていく。


沙耶の目を見て話せない。


「…玲香、体調悪い?」


「…ちょっとだけ」


嘘ついてごめん。


このあとトイレに行きやすくするための嘘。


嘘なんてつきたくない。


でも、徹底的にやらなきゃ死ぬのはナオ─。


ナオか沙耶か。


比べられるものじゃない。


どっちも大事な大事な人。


でもあたしは、二人を天秤にかけた末にナオを選んだ。 


最低だと思う。


わかってる。


でも…。


ごめん。