信じてる…か。


その夜、ナオに返事をしようとメッセージアプリを開いたあたしの脳に宮瀬の言葉が過る。


あんな風に言われなければ、もう〝わかった〟と返事をしていただろう。


迷ってる。


裏切るか裏切らないか。


仮に裏切ったのがバレても宮瀬はあたしにあそこまでの拷問はしてこないと思ってる。


それに、ナオと復縁したい。


だから裏切りたいと思ってる。


でも…。


躊躇してしまう。


「玲香」


ノックもせず宮瀬が部屋に入ってくる。


パスワードロックに変えたスマホをテーブルに置き、平静を装う。


宮瀬があたしの部屋に来てすることは決まってる。


「あたし、気分じゃないから」