Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

その2階に宮瀬たちは上がっていく。


階段は一個しかない。


もし宮瀬が降りてきたらバレる。


追うか諦めるか。


迷ってる間に、2階から銃声が聞こえてきた。


そして、犯人の叫び声。


たぶん、降りてこないだろう。


なるべく音を立てないように2階へ上がると、重そうな鉄扉が道を塞いでいた。


しかしその扉の一部はガラスになっていて、中の様子を見ることができる。


都合の良いことに、そのガラスの高さがあたしの目と同じ高さにある。


扉に張り付き、目だけ覗かせて扉の向こうを見ると、椅子に縛られ、動きを封じられている犯人がいた。


けど、宮瀬の姿が見つからない。


急に背筋が凍りつき背後が気になって、階段の方を見る。