Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

「お前…何者だよ…」


声を震わせ、絶望を感じてるであろう犯人の腹をグリグリと踏みつける宮瀬。


「おめぇが殺そうとした女の弟だよ。死にたくないなら俺の言うことに従え」


犯人は何度も何度も頷く。


その呼吸はかなり荒い。


「物わかりが良い奴は嫌いじゃない。ついてこい。逃げたらどうなるかわかってるよな」


宮瀬が拳銃らしきものを犯人の腹部に押し付けるのが見えた。


「あっヤバい…」


こっちに来る。


別に隠れる必要はないかもしれないけど、何となく見ちゃいけない気がして、急いで別の場所に身を隠す。


幸い気づかれることはなく、そのまま尾行を続ける。


宮瀬が移動したのは廃墟となった雑居ビル。


もともとスナック系の飲食店だったのか、カウンターや厨房が残ってる。