家に帰ったあたしはご飯も食べず、お風呂にも入らず、そのまま寝た。


とにかく忘れたかった。


でも朝は残酷なほど普通にやって来る。


眩しい日の光が部屋に差し込む。


外ではセミがうるさい。


家の中は静かだ。


リビングに降りると、オープンキッチンで宮瀬が朝ごはんの準備をしていた。


宮瀬とあたしの生活リズムが違うため、朝一緒になるのは珍しい。


「酷い顔だな」


「…うるさい」


昨日泣いたせいで目が腫れ、充血してる。


沙耶が家にいなくてよかった。


心配かけずにすんだ。


「なんか食う?」


「……いい。水だけちょうだい」


食欲なんてない。


あたしとナオは終わったも同然。