「大丈夫。宮瀬って案外騙されやすいんだよね」


ホントは宮瀬の指示でこうして会ってるのに、それを話せない。


あたしはもう完全に宮瀬一派の人間なんだ。


ナオのことが好きなのに宮瀬を裏切れない。


悔しいけど、宮瀬には何も敵わない。


「ごめんね、ナオ。華月の件情報流せなくて」


そのせいで華月は潰れた。


しかも潰しに行ったのはあたしと宮瀬。


命を守るためだとはいえ、申し訳なくてたまらない。


「気にすんな。その報復に宮瀬の姉を怪我させたし。チャラだろ」


いきなり核心に迫る発言が出てきて、顔色を変えそうになる。


さすがにこんなことで表情を変えたりはしないけど、内心心臓がバクバクしてる。