「お前は俺を裏切れない」


力強い目付きであたしを見つめる宮瀬。


その眼差しに心なしかドキッとした。


「華月潰しに同行させたのは、お前を試すためだけじゃない。俺の行動を見させるためでもある。近くで見たお前なら分かるだろ。俺を裏切ったらどうなるのか」


確かにその通りだった。


巧みな交渉術、並外れたコントロール力、他者を恐れさせる静かな威圧感。


宮瀬に拳銃を向けられ狙われたら最後、確実に殺られるだろう。


宮瀬は絶対外さない。


「ナオと接触して連合の情報を聞き出せ。デートがしたいならしてこればいい。一応仕事だから見逃してやる」


「…え…?」


宮瀬…意外と優しいんだ。


公私混同を許してくれるなんて思ってもなかった。


「付き合ってんだろ。お前ら。それぐらい見逃してやるよ」