Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

『沙耶に何かあったのか?お前今どこだよ』


「家から1番近いショッピングセンター…」


『今近くにいるからとりあえず行く』


宮瀬の落ち着いた声があたしの心拍数を抑えてくれる。


でも今こうしてる間にも沙耶は…っ。


『何棟の何階だ』


「南棟の1階…エスカレーターの近く…」


『分かった。すぐ行くから待ってろ』


電話が切れてからほんの1、2分で宮瀬は駆けつけてくれた。


沙耶が出血して意識を失ってる状況を見ても慌てることなく、慣れた手つきで応急措置していく宮瀬。


「救急車は?」


「…たぶんもうすぐ来る…」


宮瀬が来てくれただけで安心感があり、ヘナヘナと力が抜けていく。