Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

沙耶の意識は完全にない。


血は止まらない。


死ぬかもしれない…。


沙耶が死んじゃうかもしれない…。


そんなの嫌。


どうしよう…。


救急車が来るまでの時間、何もせずにいたら沙耶の命に関わるかもしれない。


でも、どうしたらいいのか分からない。


気がついたらあたしは宮瀬に電話をかけていた。


誰かに助けを求めたい。


宮瀬なら、宮瀬ならどうにかしてくれるかもしれない。


『なんだよ。仕事中にかけてくんな』


「宮瀬…っ」


良かった…出てくれた…。


『……どうした。何かあったのか』


「沙耶がっ」


落ち着けあたし…。


ちゃんと話さなきゃ伝わらない。